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おすすめしたいもの/会ってほしいひと/行ってほしいところ2023.10.02

大学で学んだ地域創生が働くきっかけに!|coto Nagasaki Airport 松下史果さん

2023年4月に長崎空港内のコワーキング施設としてオープンした「coto Nagasaki Airport」。コミュニティマネージャーを務める松下史果さんは、同じく4月のタイミングで福岡から縁もゆかりもない長崎に移住してきました。彼女が全く違う前職から、今の仕事へとチェンジした理由を紐解いていきましょう。

自己成長を目的に選んだ大学で地域創生を学ぶ

インタビューはcoto Nagasaki Airportにて行った

「ひと・こと・ものをつなぐハブ拠点」をコンセプトにしたサテライトオフィス&コワーキング施設の「coto Nagasaki Airport」。コミュニティマネージャーの松下さんが、今の仕事に就いたのは、大学時代の活動にルーツがありました。

「いろいろ経験できて充実した学生生活を送れそうだなというのと、地域活動という一つの社会経験ができるので自分自身成長できそうだなと思って、地域系の学部がある大学を選びました。なので、地域創生が一番にというわけではなくて、自己成長できそうだというところが一番の理由でしたね」

選んだのは、北九州市立大学の地域創生学群。座学だけでなく、地域活動にかかわる実習も多く提供されており、松下さんは小倉北区を中心に活動していたそうです。

「小さい頃は地域コミュニティにあまりかかわってなかったのですが、大学の授業で学ぶ中で、自分の地域のことを自分事として捉えてないのがおかしいよなっていうのを思いました」

さらに地域創生にかかわる中で、気づいたことがあったと語ります。

「やっぱり人って一人じゃ生きていけないんだなと思いました。支えながら生きているというのをすごく感じて。私もそういった仲間の一員になりたいなと考えました」

被り物をして街を練り歩く

快適な環境で作業ができるcoto Nagasaki Airportのコワーキングスペースにて

松下さんは大学時代のユニークな体験を楽しそうに振り返ります。地域創生について、大きく分けて5つの活動を行っていたそうです。それぞれ簡単に紹介していきます。

1つ目は、商店街におけるマルシェの出店。地域で集めた古本やドリンクの販売を通して、エリアの人通りを増やすことを目的に活動をしていました。

2つ目は、北九州市の小倉に来た人へ、街の魅力を伝えるために行っていたPR活動。市の名産や特産品の被り物を自作し、それを被って街を練り歩いていました。小倉でおすすめの食事処を紹介したり、道案内をしたりしていました。

3つ目は、ボランティアの清掃活動。実習メンバーだけでなく、地域の方やボランティア有志の方と一緒にゴミ拾いのボランティアをしていました。

4つ目は、地域で活躍している人を講師に招く講座の主催。例えば、小倉のカフェを舞台に、ドリップコーヒーやアイシングクッキーを学びながら小倉で店を構えた理由を伺う講座など、様々な講座を開いていました。

そして最後の5つ目は、小倉の飲食店や雑貨屋などに取材して、記事を書き、発信する活動です。

これらの活動を通じて、地域創生にかかわったことが、現在の仕事に役立っているのでしょう。

縁もゆかりもない長崎だけど、ワクワクを感じて「行きます」と即答

しかし、松下さんは卒業後、地域づくりとは全く関係ない仕事に就きます。それは、家電量販店での携帯販売の仕事でした。

「全然別の業界や業種をしてみようと思いました。また、私が所属している会社が、携帯販売だけでなく、幅広く業務を扱っているので、いろいろな経験ができそうだと感じました」

3階から海や大村市街、背後の山なみなどを眺められる

そこから現在のコワーキング施設「coto Nagasaki Airport」のコミュニティマネージャーへとジョブチェンジした理由は何だったのでしょうか。

「やはり大学時代に行っていたまちづくりや地域創生に興味があり、当時を振り返ると自分自身生き生きしていたなと。そう考えていたときに、ここで働けるというご縁をいただいて。すごいチャンスだなと思いました」

cotoの担当者と顔合わせしたのは、2023年2月末のこと。その当日に採用が決まったと言います。

「いろいろ考える間もなく、行きますと答えました。実はそのとき、まだ長崎に一度も行ったことがなくて。だから一瞬、長崎や大村に行ってから、考えようかなとも思いました。だけど、たとえ行っても行かなくても、この会社で働きたいという気持ちは変わらないだろうなと感じて。多少は不安を感じていましたが、まちづくりに関われるというワクワクの方が強かったんです」

ひと・こと・ものがつながる現場を目の当たりにした

松下さんが大村市に移住してきて約3か月。街の印象を聞くと、とても住みやすい街だと答えます。

「大学時代にインターンシップで半年ほど東京へ出ていたこともあったのですが、そのうえでやっぱり九州はいいなと思います。中でも大村は、自然の田舎っていう感じと、ちょっと都会らしさみたいなところの良いとこどりをしているなと。海が近くて山も見えて自然を感じられるのが好きです。

大村市は住みやすい街だとよく聞きますが、実際に住んでみてそれをすごく感じました。

大通りにはお店もたくさんありますし、長崎空港や新幹線の通る駅もあって全然不便を感じていません。住みやすい街と聞くとありきたりに感じるかもしれませんが、でもそれが一番。それが大村の良さだと思います。」

coto Nagasaki Airportではサテライトオフィスとしての機能も備える

そんな大村での生活をしながら、コミュニティマネージャーとして活躍する松下さん。これまでの印象的な出来事を聞くと、多拠点ワーク体験ツアーを挙げます。長崎県外の人向けに市内視察や地元の事業者との交流などのプログラムを提供するもので、そこでcotoのコンセプトにある「ひと・こと・ものをつなぐハブ拠点」の役割を実感したそうです。

「そこに集まった人同士で、実際にこういう仕事をしてみましょうか?みたいな声も出てきていたんですよね。そういうのを見ると、大村を舞台にいろんな仕事ができるんだなという可能性を実感しました」

気になる人には、積極的にお声がけしていきたい

入口にはかわいいイラストが描かれている

「coto Nagasaki Airport」で働く中で、松下さんは前職の携帯販売の仕事が役立っていると感じる場面があるそうです。

「長崎空港の3階で営業しているのですが、場所が分かりづらく、まだ浸透していないところがあるので、気になってそうな人には様子を見ながら積極的にお声がけしています。それをきっかけに本人はもちろん、家族や知人などにcotoの存在を知ってもらえればと思うからです。」

サービス業に従事していた松下さんだからこそできるコミュニケーション術なのでしょう。利用者はビジネス目的が多いそうですが、読書でもちょっとした休憩でも受験勉強でも、誰でも気軽に利用してほしいと言います。

最後に、そんな松下さんに今後cotoでやっていきたいことを聞いてみました。

「cotoが目指しているハブ拠点としての要素を高めていきたいなと思います。たとえば掲示板に名刺を貼ってもらい気になる方に連絡できるきっかけにしたり、長崎に関する質問をなんでも受け付けて、簡単な観光案内から仕事のマッチング支援を行ったりだとか。そういった施策やサービスを進めていきたいです。」

coto Nagasaki Airport

長崎県大村市箕島町593番地 長崎空港 3階
TEL:0957-56-9899

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