未分類2024.06.20
家具に宿るストーリーを紐解き心豊かな生活を提案する|イズミファニチャー 岩村 誠一郎さん
農機具倉庫を改築したという広大なライフスタイルショップ。そこで扱う膨大な量の商品には、それぞれにストーリーがありました。それを紐解き、心が豊かになるライフスタイルを提唱する岩村さんにお話をうかがいました。
商品のエピソードまで楽しめるライフスタイルショップ
元は農機具倉庫だったという無骨な外観。店内に足を踏み入れると、様々な形や素材の家具や調度品、インテリアグッズが目に飛び込んできます。「イズミファニチャー」は、北欧家具を中心に国内外の家具や雑貨、さらには薪ストーブまで扱うライフスタイルショップです。その店内はとても広く、初めて訪れると迷子になってしまうかと思うほど。
「よく来たね」と迎えてくれたのがオーナーの岩村誠一郎さんです。店内を案内してもらうと、「これは一度の削り出しで作られた家具でね……」「作り方のプロセスが違うから、日本の家具ではあり得ない形なんだよ」などなど、家具にまつわるさまざまな情報やエピソードが次から次へと飛び出します。そのひとつひとつの言葉から、扱う家具や雑貨への深い造詣や愛情を感じることができます。
取り扱う家具や雑貨は岩村さんが海外へおもむき買い付け。大事にしていることは“遊び心”だといいます。「家具や調度品には、値段だけの技術やストーリーが詰まっているからね。使う人にはそこまで知って楽しんでほしいな。安さを基準に、機能や合理性だけ求めても息苦しいでしょ?」とニコニコ笑顔で語ります。
人間の豊かさとは?次世代にスピリットをつなぐ。
今年で創業26年を迎える「イズミファニチャー」。その佇まいから順風満帆に見える岩村さんですが、創業から数年間は“人間教育”の面で大変に苦労したそうです。「創業時は自分一人でなんでもできると思っていた。傲慢にも従業員の“できない”をなんでも叱責していたんだ」と当時を振り返ります。
従業員との関係が悪化していく中、不運にも、台風で店舗に隣接する本明川が決壊。イズミファニチャーも甚大な被害を被ったそうです。被害額はなんと数千万円。天災による経営危機的な状況も手伝い、従業員にはさらにつらく当たるようになってしまったそうです。このことをきっかけに一人、また一人と従業員が岩村さんの元を去っていきました。
とうとう一人になってしまった岩村さん。そうしてやっと、自分自身をかえりみたそうです。「一人でやれることの限界を感じたし、自分が他人との関係の中で生きていることを実感した。それをきっかけに、人間教育の大事さについて、より深く考えるようになったよ」と語ります。
その時に得た答えは、今の経営にも息づいており、“人間力”を育てることは特に大事にしているそうです。「商品を置いていれば売れた昔とは違い、情報に溢れる昨今ではそれだけでは売れない。お客さんをファンにする従業員自身の人間力も必要なんだよ」と力説します。
現在では、会社を持続させること以上にスピリットをつないでいきたいと岩村さん。「会社という箱を通じて、地域への貢献やモノを大事にする心、素晴らしいモノ・コトを見極める審美眼を養うことを次世代につないでいきたい」と今後の展望についても語ってくれました。
「“物質的な豊かさではなく、精神的な豊かさこそ大事”、そう言える家具屋さんでありたい」。岩村さんが語るその言葉には、現代を生きる私たちが真に豊かになるためのヒントが隠されているようでした
想像するだけでも楽しめる、上質な家具がある暮らし
扱う家具は単体で販売するだけでなく、トータルで部屋をまるごとコーディネートするサービスもあります。また、“地域でも本物のデザインを感じることができる”というのが創業当時からの思い。都会に負けない商品を扱っているという自負を持って運営しているそうです。実際に店舗を見て育った近所の子供がデザイナーになったこともあるとか。そのときの喜びと感動は今も忘れないといいます
長崎県諫早市福田町24-5
TEL:0957-22-2851
営業時間:11:00〜19:00
定休日:火曜、第1・第3水曜(祝日の場合は営業)
ifqd.com
イズミファニチャーが演出する極上の非日常空間
天井の高いフロアに北欧家具で統一された店内。洗練された大人の空間を演出しながら木の温かみを感じることができるのは北欧テイストならではです。
「ゴームス長崎」は、イズミファニチャーとデンマーク人シェフのゴーム氏がコラボするピザレストランです。提供する料理は、イタリアンをベースに北欧のテイストをプラス。野菜やハーブを使用したメニューが多く、地元女性客からも熱い支持を集めます。
6月からは入り口のカウンターをスタンディングバーに改装。ゴームスらしい洗練された雰囲気はそのままに、レストランとは打って変わってリーズナブルなメニューが並びます。「ウェイティングバーとしてはもちろん、待ち合わせやちょい呑みに、気軽に利用してもらえると嬉しいよね」と岩村さん。
立ち飲み形式は、初めて訪れる旅行者にとっても気軽に立ち寄りやすく嬉しい点です。時間さえ忘れてしまう非日常空間で、地元の人たちとの楽しいおしゃべりを肴に、長崎の夜を楽しんでみてはいかがでしょう?
長崎県長崎市元船町9-10
TEL:095-893-8795
営業時間:11:30〜14:30(LO14:00) 18:00~22:30(LO21:30)
定休日:火曜、第1・第3月曜