会ってほしいひと/食べてほしいもの2022.05.10
ちょっと寄っていこうかな。 大村駅前、オトナたちの基地|駅前酒場肴や 前田 匠さん
大村駅から歩いて3分。ガヤガヤ賑わう居酒屋で腕をふるう大将は
日本酒の飲み方と魚の食べ方、それとサッカーに
ちょっとうるさい笑顔の似合うナイスガイでした。
移住してきたから見える、大村じげもんの魅力
大村駅前が帰りのサラリーマンや学生達で賑わい始める頃、駅前酒場肴やに明かりが灯ります。駅前酒場肴やの大将が前田匠さんです。前田さんは東京出身で世田谷区は経堂の魚の仲卸さんが営む居酒屋で腕を磨きました。結婚を機に奥さんの地元である大村市への移住を決意。それから大村市民に親しまれる老舗居酒屋「信之」で6年間腕を振るいました。そして昨年に独立し、現在の肴やを営んでいます。店名の肴やとは「新鮮な魚を旨い肴に。旨い酒には旨い肴を」という思いが込められているそうです。大村市へ移住してきて、驚いたことは魚や野菜の美味しさであったそうです。「素材が良いから、料理に工夫のしがいがありますよ。湯がいただけでも美味しい素材にきちんと“仕事”を施すのが自分の仕事です」と前田さん。提供している刺身は、朝一番で魚屋へ赴き、その日の良いものを目利きして仕入れ、朝のうちに捌き、適切に処理をして、寝かせたものだそう。その他の食材でも、地元では焼いて食べることが一般的であったホルモンを天ぷらにして提供したり、大村湾でよく揚がるシャコやイイダコはマッシュルームオイルで香り高く仕上げるなど食材ごとの工夫に余念がありません。
人と人との心の近さが魅力です。
大村のみんなで盛り上がる
焼酎文化の大村市に一石を投じたいと前田さん。大村市では珍しく日本酒を中心としたラインナップです。店内に置く日本酒は常時8種類程度にしぼっているそうです。「たくさんの銘柄を並べることは簡単ですが、本当に美味しい状態で提供したいので、絶対にやりません」と語ります。「いろはに飲み比べセット」やチョイ飲みサイズでの提供、ワイングラスでの提供はもっと気軽に日本酒を楽しんでほしいという気持ちからだそうです。また燗の温度を変える温度遊びによる楽しみ方や陶器や磁器を使った酒器遊びによる楽しみ方なども提案しています。「„この時期は◯◯さんのところの枝豆が美味しい"のように、生産者さんとの距離が近いのも嬉しいですね」と前田さん。農家さんが採れたての野菜を持ってきて、それを前田さんが料理して振舞い、というようなことはよくあることだそうです。地元の様々な飲食店とのコラボレーションにも積極的です。日本酒には蕎麦と味わって欲しいと思えば大村の名店「そば正」の蕎麦を扱わせてもらったり、交流のあるワインバーで焼き鳥を焼いたりと、様々な食の楽しみ方を提供しています。それらのイベントを楽しみに訪れる常連さんも多いのだとか。独立して1年目、苦労したことを伺うと「苦労より楽しさが勝っていますね。独立するまでの5年間も原価計算から仕入れまで全て任されていましたし、居酒屋としてやらなければならないことは変わってませんよ」と前田さんは笑顔で語ります。今後について伺うと「大村に日本酒が好きな人がもっと増えると嬉しいです。そのためにブームではなく、文化として根付かせたいですね。地元の居酒屋だからできることがあると思います」とのこと。「お客さん同士が繋がっていく居酒屋だよ」と常連さんが語る駅前酒場肴や。そして、日本酒を通じて様々な楽しさを発信する前田さん。大村のオトナたちが夜な夜な集う基地が今夜も大村の夜を盛り上げます。
[美味しい日本酒を飲んでみて!]
長崎県大村市東本町2-1
TEL:0957-53-9798
営業時間:17:30〜23:00(L.O.22:30)
定休日:㊐
WEB:https://www.facebook.com/eki.sakanaya/